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日記 [本・雑誌あれこれ]

『ショー卜ケーキ。』を読んだ。
「坂木司の文章は読みやすい」とか言っておいて一か月半もかかってるやんけ、という話だが、読むのに時間がかかったのではなく、色々とバタついて読んでなかったのである。読めてよかった。
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 あるケーキ屋さんをメインに色々な人が登場する連作。その人たちは密接にはかかわらないので群像劇というのとは違うし、そのケーキ屋が舞台なのでもない。そのケーキ屋のショー卜ケーキでゆるく結びついている。

 途中が空いたおかげで、後半のエピソードに登場する人物が、前半のエピソードに登場してたことに気づくのに時間がかかった、ということがあったのだが、気づいた時の「あ!」が爽快だった。あるべき読み方ではないかもしれないが、ちょっと気持ちよかった。

「日常の謎」の雰囲気は前半の方に濃い。
「ままならない」というエピソードは、新米お母さんたちの窮屈さが「隔離」という言葉で表現されていて、独身男性としては胸が痛い。読後感はすごくいいが、よく考えると、ケーキのクリームの下に甘くないものが山ほど隠れている。
 好きなのはラス卜の「騎士と狩人」で、主人公は「女騎士に守られたい」という青年なのだが、これまた結末が爽快である。

 まー、でも、やっぱり、続けて読むべきだったよね。

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