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日記 [本・雑誌あれこれ]

『竹馬に乗って時を探す 「失われた時を求めて」オンライン読書会の十四か月』を読んだ。
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 プルーストの『失われた時を求めて』の、十四か月にわたるオンライン読書会を経て、参加者が書いた文章である。
 歯ごたえのある文章が多いが、それぞれの長さが手ごろなせいか、読みづらくはない。

 本を読む、書くについての言及がいくつかある。
(自分の)書物を読んでくれる人たちのことを想定して私の読者と言うなら、それは正確さを欠くことになるだろう。なぜならその人たちは、私の考えでは、私の読者ではなく、自分自身の読者だからである。(「コンブレーの眼鏡屋――散歩者の日記より」における 14 巻からの引用)

 夢についてのこの比喩も印象的である。
暗闇を一瞬だけ照らす回転式灯台のように何の前触れもなく訪れる現象だ(「ある会話」)

 何分、対象の原典を読んでないので、理解が適切かどうかは大変に怪しいのだが、間違っているかもしれない、と自覚していて、人に押し付けたりしなければ、それを放置するのもこちらの自由である。
 面白い、と思ったが、じゃぁ、『失われた時を求めて』を読みますか、店に在庫しますか、というと、いろんな意味で体力がなく、なかなか踏み出しづらい。

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