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【忘れない】を終了して [雑感]

 今年の震災本特集【忘れない】は売り上げ的に寂しい結果に終わりました。COVID-19 のせいだとすればやむを得ないとは思います。ただ、震災の特集をやめなかったのには理由があります。

 去年、河北新報に連載していたも書いたのですが、「災厄は続けて、または同時にやってくる可能性がある」ということです。地震によって停電が起こることは多いですが、それが冬だったら暖房が止まるので深刻度が増します。だからと言って、ナマズは冬に休んでいてはくれません。
 今、伝染性のある病気が猛威を奮っている状態で、自然災害によって避難所暮らしを強いられることになったら、というのはあまりしたくない想像ですが、そうならない、という保証はありません。行政だけでなく我々自身が考えておかなければなりません。

 病気のことが心配で震災どころじゃない、というのはわかりますが、それが「9年前のできごと」で済むかどうかはわからないのです。



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令和元年度県民意識調査 [雑感]

 昨年、河北新報の連載を持っていたころ、県民意識調査の質問が変わっているので比較しづらい、という話をした。H22~27、H28・29、H30 と三つのグループに分かれてしまうのだが、今後の傾向を見るには H30 年の質問を維持したまま数年待たなければならない、と書いたところ、去年の調査でまた質問が変わっていた。
 具体的には、本を読む時間を確保できない理由を問う質問が無くなっている。「あなたは読書が好きですか」と「あなたは1日平均どれくらい読書をしていますか」の二問しかない。これでは「意識調査」ではなく「実態調査」である。

「あなたは読書が好きですか」の傾向は以下の通りである(「どちらかと言えば好き」は「好き」にまとめた。「嫌い」も同様)。
r1chousa.2.jpg
(単位は%)
「好き」が増えて「嫌い」は減っている。
 では、どれくらい読んでいるか。
 選択肢は「2時間以上」「1~2時間」「30 分~1時間」「30分未満」「全く読まない」の5つだが、これをそれぞれ「2時間」「1時間半」「1時間」「30 分」「0」と見做して平均時間を出してみた。
r1chousa.1.jpg
(単位は分)
 40 代と 70 代以外は短くなっている。特に 10 代が 36.3 分から 32.4 分と一割以上も減っているのが目を引く。
 10 代はもともと「2時間以上」と答えた人はいないのだが、「30 分~1時間」が 29.2% から 23.1% に減り、「全く読まない」が 25.0% から 35.9% に激増しているのが大きいようだ。
 読書を教育の一環として捉えるんだとすると、「これはもう…」という感じがする。

 最初に書いた通り、その理由をこの調査から読み解くことは不可能である。他の調査はあるのかもしれないが、来年はこの手の文章を書くことはないと思う。

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座標補足:書店の将来と「国民投票」 [雑感]

 河北新報「座標」欄への掲載、最終回の6本目では、書店の将来と「国民投票」について書きました。
 その補足です。

 参考文献を以下に。
190620.jpg
ガケ書房の頃(山下賢二/夏葉社)
「本屋」は死なない(石橋毅史/新潮社)
本屋会議(本屋図鑑編集部/夏葉社)
出版クラッシュ!?(安藤哲也、小田光雄、永江朗/編書房)
本屋がなくなったら、困るじゃないか 11 時間ぐびぐび会議(ブックオカ/西日本新聞社)
(『ガケ書房~』以外は絶版)

『ガケ書房の頃』の「国民投票」という章を起点に書店の将来について書こうと思ったのだが、どうしても売れない零細書店の愚痴にしかならず、試行錯誤と書き直しを繰り返してあの形になった。

 交通機関の例えを持ち出したのは、自分が困った体験による。
 この春のダイヤ改正でバスの便数が減った。それ自体も不便だが、バスが混むようになった。以前はたまに座ることもできたのだが、改正後は一度も座っていない。それどころか、降りるときに「すいませんすいません」と乗客の間をかき分けなければならない。
 バス会社からすれば、その方が効率いいのに違いない。もちろん効率一辺倒ではなく、乗りたくない、という感覚を持たれないように調整しているだろうと想像するが、実のところ、中身の詰まったバッグを二つ持っている時は乗りたくない、と思い始めている。もし、そういう風に感じていて、かつ、代替手段を持っている人がいれば、利用客が減るかもしれない。そうなれば、便数はさらに減るだろうし、料金も上がるだろうね。

 書店がなくなっても困らないし、という意見はあるだろう。通販の方が楽だし。
 だが流通崩壊の問題がある。利用者は「崩壊」の被害者かもしれないが、「俺は加害者かもしれないな」という視点は持っていたい。それ、本当に今日配達にする必要ありますか?
 また先日、車に走行距離で課税するという話も出たが、これは通販の運用に影響しないのだろうか。

 できれば電子書籍にも触れたかったのだが、どうしても否定的な感想しか出てこないので、一言だけに終わった。もし別の機会があったら書いてみたいと思う。
 この点では、「いわゆる技術の進歩は本当に『進歩』なのか」ということもここのところ考えている。ちょっと出てくるが、本と全く関係ないので深掘りはしていない。

 というわけで、月イチ半年の連載が終了した。
 最初に「エッセイじゃありませんからね」と何度もくぎを刺されたので、ちょっと堅苦しい内容になってしまったような気もしている。オチのある文章も書けます。たぶん。
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座標補足:読書感想文 [雑感]

 河北新報「座標」欄への掲載、五本目では、読書感想文について書きました。
 その補足です。

読書感想文を片付けるために
「分割して個別撃破」が基本だと思う。「プレジデント」みたいなビジネス誌もよく言っている。
 感想文を書き上げるまでのプロセスを細分化していき、それを一つ一つ潰すのである。本当に苦手な場合は「最初の1ページを読む」くらいに細かくする。長期休みならそれでも何とか間に合うだろう。
 紹介した『お父さんが教える読書感想文の書きかた(赤木かん子/自由国民社)』は、原稿用紙を3 行ずつのブロックに分けて、「最初はタイトル」「第二ブロックは動機(なんでその本にしたか)」と位置づけを決めて書いていく方法を紹介している。

「強く感動した本は避ける」について
 本は変えないまでも「一番強く思ったのは○○だが、書ききれないので◇◇について書く。○○については触れない」という逃げも打てる。子どもには難しいかもしれないが、大人の場合、それっぽく仕上げることは可能だろう。

コピペ
 問題外だと思うのでこれっぽっちも触れてないが、ネットで見つかった感想文のコピペなどは考えない方がよい。
 生徒がネットで見つけられる、ということは、教師も見つけられる、ということである。学生の論文などは盗作がないか検索してくれるサービスもあるくらいだから、まず見つかるものと思った方がよい。
 ばれて再提出ならまだいいが、教師の目をすり抜けて、できのよい感想文と受け取られてしまい、優秀作として校内に張り出されて後からコピペを指摘されたりしたら悲劇である。外部のコンクールなどに出されてしまったら目も当てられない。学校にいられなくなったりするかもしれない。いやマジで。

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座標補足:選挙の低投票率 [雑感]

 河北新報「座標」欄への掲載、四本目では、選挙の投票率について書きました。
 その補足です。

統一地方選後半戦
 秋田市議会選も似たり寄ったりの投票率だったらしい(県議会選秋田市選挙区が46.71%、市議会選が44.92%)。

棄権することによる白紙委任
 棄権者の白紙委任についてはこんな例えを考えた。
 車を運転していて、横を走っている車の雑な運転にいら立つことがあるが、自分は投票せず、むこうが投票していたとすれば、投票しなかった人の将来は、その雑な運転をする人に決められることになる。投票に行かない、というのはそういうことである。
 ちょっとわかりにくいのでやめたが、棄権して見ず知らずの人に白紙委任した場合、その相手には「自分が信用できない、嫌いな人間」も含まれる、ということである。

期日前投票
 期日前投票については、NHK の記事が面白い。2018/3 のものである。
・投票所に行くと近所の人に会うことがあるのがイヤ
・投票所に使われる公民館や学校の建物が古い場合、バリアフリーになっていないことが多い。ショッピングセンターなどに設けられる期日前投票所の方が行きやすい。
 などは「なるほどねぇ」という感じである。

参考図書
『チョコレート・アンダーグラウンド(アレックス・シアラー、金原瑞人/求龍堂)』での健全健康党の躍進については、「投票率が低いせいで」と言ってきたが、そうとも言えないことが読み返してみて分かった。「投票したが、まさかそこまでやるとは思わなかった」という人もいたことになっている。


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座標補足:震災と書店 [雑感]

 河北新報「座標」欄への掲載、三本目では、震災について書きました。
 その補足です。

本棚が倒れた時の安全地帯
 その空間に棚を置いて本を増やしたい、という気持ちは常にあるのだが、万が一を考えると踏み切れない。
 店のバックヤードが実は安全だったりする。トイレが安全だ、というのはよく言われることだし。

参考図書
 今回の記事で参考にしたのは、紙面で挙げた『復興の書店(稲泉連/小学館)』のほか:
走れ! 移動図書館(鎌倉幸子/ちくまプリマー新書)
紙つなげ!(佐々涼子/早川書房)
 がある。
 ほかには、『わたしのブックストア(北條一浩/アスペクト)』には book cafe 火星の庭(仙台)をはじめ震災に触れた記事がある。実はコンコ堂(阿佐ヶ谷)みたいな断面が台形の本棚(下が大きいので安定する)にしたかったのだが予算が折り合わなかった。『猫はしっぽでしゃべる(田尻久子/ナナロク社)』は熊本地震への言及がある。
「本屋がなくなったら困ったことが起きる」という表現は、『本屋がなくなったら、困るじゃないか(ブックオカ/西日本新聞社)』が念頭にあるが、震災とは直接の関係はない。

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座標補足:イベントへの出店について [雑感]

 河北新報「座標」欄への掲載、二本目では、イベントへの出店について書きました。
 その補足です。

本の優先順位が低く、あきらめることにためらいがない
 本屋を利用しない理由として上記を挙げている。これがすべてだというのではない。
 具体例として三つ挙げた。

「わざわざ買いに行かなきゃいけないんならいらない」
 要するに通販。
 欲しい本が決まっていて、そのオンライン店舗に在庫があるのなら、通販の方が圧倒的に楽。それは否定しない。送料無料で翌日のうちに届くのならなおさら。
 が、欲しい本が「あんな本」など「なんとなく」な状態になっているときの検索の手間は膨大。スマホでは絶望的である。私はそれに我慢がならないので、ジュンク堂に行って自分の目で確かめる。

「駐車場代がかかるんなら」
 これは地方都市特有の問題。
 当店には駐車場がない。ときおり、ハザードをつけて店の前に停まり、駐車場の場所を聞かれる。一本横の通りにコインパーキングがたくさんあるのでそこを利用していただくようお願いするのだが、「わかりました」と言ってそのまま帰ってしまう人は少なくない。¥50/20分 のところから 200m もないのだが。
 ただし、こういう考え方は少数派らしい、ということは最近分かってきた。15 分歩くのが苦にならないとか、欲しいものを選んで買いに行くのに駐車場代として¥200 出す、というのはマイノリティらしい。

「自分で探さなきゃいけないんなら」
 これもネット通販。今、見ている本の関連書や、これまでの購入履歴からの推薦書などが表示されるが、私個人は、その推薦がヒットしたことは一度もない。
「その本を買った人は、こんな本も買っています」は、他人の趣味を見せられているわけで、見世物としては面白いが、「俺は違う」でおしまいである。
 イベントに出店するとなぜこの点が改善されるかと言うと、そんなに多くは持っていけないからである。多くて 100 冊というところだ。だから、こちらは持っていく本を慎重に選ぶ。紙面では、「朝市なら手軽な本、古本市なら歯ごたえのある本」と書いたが、その裏をかくような本もちょとだけ混ぜる。それが売れると、カウンターの陰でガッツポーズである。

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座標補足:秋田県の県民意識調査から [雑感]

 今年前半は、河北新報の「座標」という欄に文章を書かせていただくことになりました。
 ここではその裏話などを書いていこうと思います。
 まずは、秋田県の県民意識調査における読書の項目について。

致命的な質問変更
 県のホームページに公開されているのは平成 22 年以降、9 年分である。
 読書については、「あなたは(一日に)平均どれくらい読書をしていますか。」という項目がある。選択肢は「2 時間以上/1~2 時間/30 分~1 時間/30 分未満/全く読まない」があるが、概観するため「30 分以上読書する人」でまとめると、22 年で 60.3% だったものが、30 年に 44.1% にまで低下している。県の目標は「2020 年に 70%」なのでこれはかなり厳しい数値と言える。
kahoku.290122.jpg
 低下の傾向を見ていきたいところだが、残念ながら 28 年と 29 年は「あなたは 1 日 30 分以上(または 1 週間で 3 時間程度)読書する時間を確保できていますか。」と質問が変わってしまっているため比較できない。
 なぜ変えたのかはわからない。しかも、30 年に質問を戻しており、データが 22~27 年、28~29 年、30 年以降と三つのブロックに分かれてしまうこととなった(もっと言えば、29 年は「あなたは 1 日 30 分以上(または 1 週間で 3 時間程度)読書をしていますか。」であり、28 年と同一の表現ではない)。
 質問が変わる直前の 27 年が 54.4% で、30 年が 44.1%. その前の 6 年間で 5.9% しか下がらなかったものが、その次の 3 年で 10.3% も下がったことになる。28~29 年で何かが起こっていると考えざるを得ない。
 まっさきに思い浮かぶのが、29 年の、ジュンク堂秋田店の一時閉店である。書店だけでなく、タワーレコードも一時閉店、映画館「シネマパレ」はそのまま閉館と文化の面で大いに話題になった。
 幸い、27 年以降には読書時間を取れない理由を訪ねている質問があり、その中に「近くに図書館や書店がない」という選択肢があるのだが、これの割合は変わっていない。むしろ 29 年にわずかに下がっている。直接の関係はないのかもしれない。
 傾向を見るには、30 年の質問を維持したまま数年待たなければならないのだが、その間に読書という習慣が消滅した、ということにならないことを祈っている。

なぜ読書時間が確保できないのか
 細かく見てみると、28 年から 29 年にかけて、「30 分以上確保できている」という回答が、20 代および 30 代の層で半分程度に激減している。逆に、「できていない」という回答が、20 代と 60 代・70 代で激増している。
 その理由で、20 代・30 代では、「仕事が忙しい」「他に興味があることやその活動が忙しい」がトップ争いをしてはいるが、これは少しずつ値を下げている。逆に上がってくるのが「家事・育児・介護が忙しい」である。
 納得しかけるが、この正体は検討を要する。
 まず、結婚年齢が上がっていることを思い出す。厚生労働省の人口動態調査によれば、第一子出産の平均年齢は 30 歳前後なので、育児の 20 代へのインパクトは、ないとは言わないが限定的なはずである。
 また、同じ調査で、子育て環境や老人福祉制度への満足度を尋ねているのでそれを見てみると、満足度(あるいは不満度)に大きな変化はなく、本当に子育てや介護で時間が取れなくなったのかどうかは怪しい感じがする。
 残念ながら結論は出ない。妄想するなら、「子育てで時間が無くなったけど読書の時間を減らせばいいや」と考えたのであれば不満は出ない、ということもあるのかもしれない。

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