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背中 [ショートストーリー]

 店の業務と関係ありませんが、ショートストーリーを書いちゃったのでここにさらします。


 ちょっと寄ってこう、と言って航くんは店に入って行ってしまった。
「また本屋ぁ?」
 文句を言いながらその背中を追う。だってデート中だし。
 っていうか、デート中に本屋ってどうなの。外は五月晴れでしょ? いつもなんだよ。古本屋だろうが普通の本屋だろうが関係なし。目に入ると必ず入ってっちゃうんだから。
 まぁ、学年でも上の方にいる優等生さんだからしょうがないのかもしれないけど。
 下の方にいるあたしなんかが彼女ですいませんって感じなんだけど。
「航くーん」
 もう棚から抜いて読み始めてる。生返事。ダメだこりゃ。
 そんなに広くない。うちらの教室よりずっと小さい。これだったら、こないだみたいに、午前中にお茶するつもりが午後のおやつの時間に、ってことにはならないだろうけども。
「どっこいしょっと」
 小さな椅子に座る。聞こえるように言ったつもりだけど、あれは聞こえてないな。いいの、あたしは待つ女。つか、寝ちゃおうかな。
「よんで」
 あくびして出た涙で視界がぼやけてる。誰だ。

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