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『となりの妖怪さん』 [本・雑誌あれこれ]

 noho(Twitter @nohohitchcock)
 イースト・プレス
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 同名の縁で読んでみたところ、これがすごくよいのでご紹介。

 妖怪と人間が共存している世界。舞台は山間の町だが、そこだけの話ではなく、六本木ヒルズあたりでも人間と妖怪が普通に行き来している。学校に幽霊が、というエピソードがあるのだが、一つ目小僧の少年がビビっているのが可笑しい。
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 主人公は ぶちねこの「ぶちお」。猫又に新生したばかりで、町内の天狗や化け狐に「妖かし」としての初歩を教わっていく。
 1巻、2巻ともメインとなる流れがあるのだが、短いエピソードを連ねて描かれていくので、読みやすいと同時にリズム感がある。

 基本的に「優しい世界」なのだが、妖怪たちが背負っているものは優しいだけで片付くものではなく、数十年どころか百年単位の因縁があったりして、時折「厳しい世界」が顔をのぞかせる。奥行きのある物語。

 人間も妖怪も可愛いのだが、個人的に一番のお気に入りは、お盆の精霊馬。
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 萌えるでしょ。

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“AMERICAN BOOKSHOP”ルール [本・雑誌あれこれ]

 本の世界にインスピレーションを得たカードゲーム“AMERICAN BOOKSHOP”のルールを簡単に解説します。
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1. カードは4種類のスートに別れていて、それぞれに0~11 の番号が振られている。
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2. プレイヤーは 3~5 人。カードを均等に配る。
3. 親がカードを場に一枚出す。続くプレイヤーは、同じ色のカードを出さなければならない。無ければ任意のカードを出す。
4. カードを出すときに、カードに書かれている数字を足していく。それが、プレイヤーの数に応じて決まっている値になる(または超える)カードを出したプレイヤーが場のカードをすべて取る。
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例えば、3人でプレイしている場合、基準値は 14 である。
親であるプレイヤーAが白の7を出した。
Bは白いカードを持っていなかったので赤の0を出した。
Cが白の6を出す。
Aが1を出すと基準値の 14 になるので、Aは場のカードをすべて取れる。


5. 場のカードを取ったプレイヤーが親となり、3~4 を繰り返す。カードを使い切ったプレイヤーが出たところで1ゲーム終了。
6. 点数を計算する。
・カード一枚につき、-1 点。
・ただし、各色のカードを一番多く持っているプレイヤーのみ、その色のカード一枚につき +1 点。
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プレイヤーAが赤いカードの最大保有者であれば赤いカードによる得点は +1 点となる。
それ以外(Aの赤以外のカードと、A以外のプレイヤーの赤のカード)は一枚当たり -1 点。
この場合、赤が7枚で +7 点、黄色と緑は最大保有者ではないのですべてマイナスで -5 点。合計 +2 点となる。

7. ゲームは、人数分だけ繰り返す。3人の場合、上記の 2~6 を3回プレイする。
8. 終了時の点数で勝者を決める。


 ゲームは乃帆書房店頭のほか、通販でもご購入いただけます。
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同人誌『友だちになる前』を発行しました [本・雑誌あれこれ]

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 これまでに書いた文章の一部をまとめて、一冊の同人誌を作りました。
 ショートショートや短編が合わせて8編収録されています。

 目的は、本の流通の起点を経験すること。
 執筆、編集、装丁をやったことになります。
 苦労話はおいおいしようかと思いますが、まずは背表紙の書名が間違っていることをご報告いたします orz...
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 店頭では一番いいところに置いてあります。
 また、通販サイト(https://nohoshobo.stores.jp/items/5d942ce6965803238a423ff2)では、最初の 10 冊について発行記念に送料 50 円でお送りするキャンペーンを実施中。
 よろしくお願いいたします。
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「ルッチャ」入りました。 [本・雑誌あれこれ]

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 奈良にある人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」の機関誌。
 オフィシャルのストアでは「昔を昔と切捨てず、未来を未来と諦めず、ハッピーに暮らすためのヒントが満載!」と表現されているが、読んでみるとこれが非常に骨太である。
「骨太」と表現すると「しっかりしている」と連想されるかもしれないが、そうではない。図書館の説明では「始点自体が拠って立つところをも疑問視する」とある。第二號の巻頭「みんなの土着人類学」では「『答え、ここにあり』と喧伝する団体に所属したくありません」と述べている。「これはこうだ!」という姿勢とは無縁なのである。

「とりあえず、十年後の働き方について考える」という鼎談では面白い観点がいくつも提示される。
「稼ぐ」と「働く」は別なのではないか。
 AI で働き方が変わる、という言い方はよくされるが、かつて「第三身分」であった労働者が働いて金を稼いで税金を納める、という構造は変わらない。
 働くことで自己実現する、という点に囚われ過ぎではないか。

 哲学者をはじめ学者や著作の名前がポンポン出てくるのはさすがに「人文系」という感じがするが、それを知らないと読めない、ということはない。引用・例示に過ぎないので、スルーしてもかまわない。
 が、それを使って示される考え方・感じ方は刺激的である。

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「歩きながら考える」step9 [本・雑誌あれこれ]

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 記事中の表現を借りれば、「道中」のことを考えるリトルプレスの最新号が届いた。今号も読みごたえのある内容である。中から三編紹介したい。

「歩くこと、書くこと、思い出すこと(滝口悠生)」
 芥川賞作家による、散歩の記録を書くワークショップの話である。
 話は日記から始まる。日記は、その日に起きなかったことは書きにくい。事実の報告・記録を要求される。だが、「ひとの一日のほとんどは、その日起こらなかったことや、目の前にいない人のことを考えたり思い出している時間」というのは盲点だった。
 そして、ワークショップで書かれたものを読んでいると、「小説には決まった形や書き方などないはずなのに、これは小説には書けない、という部分がたくさんある」という。
 私個人は賞を追いかけないタイプだが、この作家に興味が出てきた。

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2018 年の一冊 [本・雑誌あれこれ]

 今年の一冊はこれです。
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『チョコレート・アンダーグラウンド(アレックス・シアラー、金原 瑞人/求竜堂)』
 またかよ、と思われる方もあるかもしれませんが。

 もとは、2月にバレンタインデーに絡めた特集をしたときに、単に「チョコレート」だからと手に取っただけだったのですが、その設定と内容に完全に持っていかれました。
 子供向けでしょ? という考える方もあるかもしれませんが、「選挙の投票率が低かったせいで、極端な主張の政党が絶対的な権力を握ってしまった」というスタートには十分なリアリティがあります。
 これとの出会いがなければ、当店の児童文学書の比率はもっと低かったであろう、そういう本です。

 今年の営業は今日で終了です。
 来年もよろしくお願いします。
 よいお年を。
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やんごとなき探偵たち [本・雑誌あれこれ]

 大統領がサイバーテロを防ぐためにホワイトハウスを抜け出す、というストーリー、しかも書いたのは元大統領という『大統領失踪(ビル・クリントン、ジェイムズ・パタースン/早川書房)』が話題ですが、高い身分、あるいは普通はそういうことをしない人が事件を解決する本をいくつか紹介します。

1) 都知事
『都知事探偵・漆原翔太郎(天祢涼/講談社文庫)』
「セシューズ・ハイ」シリーズの一作。シリーズ名の通り二代目政治家の漆原翔太郎は、前作では国会議員でした。
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委託と買切 [本・雑誌あれこれ]

 久しぶりに書店用語解説を。
 書店と問屋(取次)との間で、本の納入(あるいは返品)をどのようにするか、というお話です。

委託
 本は、書店に一時的にあるだけです。出版社が書店に置いてもらっている、という感じなので「委託」と言います。
 一定期間内であれば、書店は本を取次に返品できます。そのタイミングで、売れた分と売れなくて返品される分とを精算します。
 メリットは、次々に新しい本を入れることができる、書店側で売れるかどうかわからない本にチャレンジしやすい、ということです。
 デメリットは、後述する買切と比べて仕入れ値が高く書店側の利益が少ないことです。出版社側から見れば、売れるかどうかわからないのですから当然です。
 多くの書店は、ほとんどの本を委託で入れています。委託のメリットを生かして、棚の本を随時入れ替え、鮮度を維持しているわけです。(注)

買切
「買取」と言うこともあります。
 これは、書店が取次から仕入れた際に買い取ってしまうことです。本は書店のものになります。
 メリットは、委託よりも仕入れ値が安いこと。売れるとわかっていれば、買い切りの方がお得な訳です。
 デメリットは、売れなかったとしても返品できないことです。頑張って売るしかありませんが、何年も店頭にあって変色してしまったり、帯やカバーが破れている本も稀に目にします。

 今月、リトルプレスの特集をするにあたって約 30 種のリトルプレスを一気に仕入れたわけですが、多いだけにリスクがある、ということで、可能な限り委託契約としています。一定期間(一つの目安として今年の暮れ)過ぎても棚にあるようであれば返品されるものがありますので、気になるリトルプレスがありましたら、お早めに。

 まぁ、基本的に本や雑誌との出会いは一期一会なのですが。
「荷物多いから来週にしよう」と思って翌週行ったら売り切れてた、ということが何度あったことか…。

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『次の本へ』みたび [本・雑誌あれこれ]

 以前、『続・次の本へ(苦楽堂)』に寄稿したとき、掲載に至らなかった文章を紹介しましたが、もう一つ。


名探偵募集中
『探偵になりたい(パーネル・ホール、田村義進)』から『そして夜は甦る(原尞)』へ


『探偵になりたい』については、別のハヤカワ文庫を読んだ時に、本に挟まっている新刊紹介のペーパーで広告を目にしたのかもしれないが、確証はない。人から勧められたのではないような気がする。だったら、お礼も含めてその人に感想を述べると思うのだが、この本について誰かに語ったという記憶はない。新聞や雑誌の書評でもないと思う。少なくとも、新聞で紹介される種類の小説ではないと思うし。
『そして夜は甦る』は、後の『私が殺した少女』が直木賞を取っているので、そこで作者の名前を目にしていたかもしれない。手元の本には「直木賞受賞!」というような帯はないのだが、古本屋で買ったのだとすればそれもありうる。受賞から実際に読むまでには間があったという記憶があるので、それが理由かもしれない。
 つまり、この二冊はお互いにつながっていないし、どこからこれらの本につながったのかも定かではない。実は今回、この文章を書く機会を貰い、改めて自分の本棚を眺めてみて、「なんでこれ買ったんだっけ」という本が結構あることに驚いている。
 これらは、起点にはなっている。『探偵になりたい』はシリーズ化されていて全9冊出ているのだが、それは全部買って、同じ作者の別のシリーズも読んだ。『そして夜は甦る』もシリーズになっているが、こちらは単行本と文庫本の両方が揃っている。もちろん、エッセイも読んだ。
 だが、最初は?
 麻耶雄嵩の『貴族探偵』も同様で、どういう状況で出会ったのかまったくわからない。装丁はシンプルで印象的だが、店頭で目にしたのだろうか。
 シャーロック・ホームズも全作読んだが、同じ探偵ものだ、ということは言える。しかし、ここまで何種類も探偵ものを挙げておいてなんだが、特別、探偵ものが大好き、というわけでもないので、そこに理由を求めるのは間違いのような気がする。
 ほかにも経緯不明の本がたくさんあり、どれもこれも迷宮入りしそうなのだが、誰かこの謎を解いてくれないだろうか。


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『次の本へ』ふたたび [本・雑誌あれこれ]

『続・次の本へ(苦楽堂)』に私の文章を掲載していただいています。
 これは、「ある本を読んで、その影響で、次にこの本を読んだ」というつながりを語るものです。「何を読んだらいいかわからない」という人に向けて、「こういう出会いもあるんだよ」という紹介をする、というのがこの本の趣旨です。
 依頼をいただいたときに何本か書いて、そこからセレクトしたのですが、掲載に至らなかったものをここで紹介してみようと思います。


新幹線に乗つて秋田から宮崎へ行つてみようと思ふ
『グレイテストな私達(わかつきめぐみ)』から『阿房列車(一條裕子)』へ


 秋田から宮崎に期限付き転勤中である(注:2015年当時)
 ある時、秋田から宮崎まで鉄道で行けるんじゃないか、と思い、調べてみたら、秋田を朝八時に出る「こまち」に乗り、「のぞみ」「さくら」と新幹線を乗り継いで鹿児島まで行き、在来線特急「きりしま」に乗り換えると、午後十一時には宮崎のアパートにたどり着ける、ということがわかった。で、時機をうかがって実行した。
 岡山で百閒川を渡っているとき、「あ、俺は今『阿房列車』を運行しているのだ」と気づいた。
「阿房列車」というのは、内田百閒の命名によるもので、列車に乗るのが目的の旅行のことである。初出は「特別阿房列車」という作品で、「なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ」と書かれているのだが、「用事がない」というのが肝要であり、行った先で見聞などを広めたりしたら負け、という精神の元で運行される。飛行機なら四時間で済むところを十五時間かけて行こうなんて思いつきは「阿房」的と言ってよい。
 2008 年頃に、小学館の「サライ」という雑誌が内田百閒を紹介していた。それで興味を持って『ちくま日本文学 内田百閒(ちくま文庫)』を読んでみたのだが、最後に収録されている「特別阿房列車」が大変に面白く、続いて『第一阿房列車』『第二』『第三』と次々に読んだ。
 気に入ってみると、他の人が何と言っているかを知りたくなる。ネットであれこれ読んでいたら、一條裕子によってマンガ化されていることがわかり、これも急いで入手した。内田百閒の言い分はどうあれ旅行記で、風景や列車などの描写があるから、これが絵になるとさらに楽しい。
 ところで、内田百閒にしろ、一條裕子にしろ、それまで全く知らなかったわけではない。
 内田百閒については、わかつきめぐみの『グレイテストな私達』というコミックスのあとがきで「ノラや」について読んだのが最初。百閒を描いた『まあだだよ』という映画も見たが、本来、守備範囲外である文学系作品を見る気になったのは、それが記憶にあったからかもしれない。
 一條裕子については、とあるブログで紹介していたのを見て興味を持ち、『必ずお読み下さい。』を読んでいる。
 どちらもそれっきりだったのだが、それが『阿房列車』で突然、つながったことに驚いた。
 さて、「阿房新幹線」運行中は、ずっと DVD を見たり本を読んだりしていて、窓の外の百閒川に気づいたのは偶然である。旅行らしいことと言えば駅弁を二度、駅そばを一度、食べたことくらいで、本当に乗ってるだけ。「阿房列車」ここに極まれり。

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