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日記 [雑感]

 昨日書いた昼の読書、ここのところジュブナイルづいている。
 店を始めた頃、選書の過程で『チョコレート・アンダーグラウンド(アレックス・シアラー、金原瑞人/求竜堂)』に出会って目覚め(『再覚醒』かもしれないが)、作者が秋田出身ってことで「らくだい魔女」シリーズを読んだり(映画の続報がない…)、偵察しに行った古本屋さんで見つけた秋元文庫の眉村卓のジュブナイル SF を再読したり、といい心持で楽しんでいる。『ポーン・ロボット』の森川成美、『羽州ものがたり』の菅野雪虫もいい。
 こないだ読み終わったのは『12 歳のロボット ぼくとエマの希望の旅(リー・ベーコン、大谷真弓/早川書房)』。主人公が 12 歳にしては子供っぽくはないか、と思ったが、東西の子供観の違いかもしれない。
 好きなジャンル、ということもあるが、長すぎない、割と細かく章・節を分けている、その気になれば速読できる、というあたりが、始業時刻になったら問答無用で本を閉じなければならない昼休み読書に向いている。

「ジュブナイルだから浅い」「軽い」「薄い」ってことはまったくない。
『チョコレート・アンダーグラウンド』に触れるときには必ず言っているが、この作品世界でチョコレートを禁止する法律が成立してしまうのは、大人たちが政治に真面目に向き合わなかった結果、極端な主張の政党が政権党になってしまったからで、そのリアルさ、ヤバさは現代の大人であればヒリヒリと感じられるはずである。
 そのヒリヒリがない、つまり、ジュブナイルが「子供だまし」に思われるとしたら、ものの考え方が「子どもじみて」いるのに、「子どもらしい」感受性は失ってしまっている、ということなのかもしれないよ。
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