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日記 [本・雑誌あれこれ]

『ショー卜ケーキ。』を読んだ。
「坂木司の文章は読みやすい」とか言っておいて一か月半もかかってるやんけ、という話だが、読むのに時間がかかったのではなく、色々とバタついて読んでなかったのである。読めてよかった。
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 あるケーキ屋さんをメインに色々な人が登場する連作。その人たちは密接にはかかわらないので群像劇というのとは違うし、そのケーキ屋が舞台なのでもない。そのケーキ屋のショー卜ケーキでゆるく結びついている。

 途中が空いたおかげで、後半のエピソードに登場する人物が、前半のエピソードに登場してたことに気づくのに時間がかかった、ということがあったのだが、気づいた時の「あ!」が爽快だった。あるべき読み方ではないかもしれないが、ちょっと気持ちよかった。

「日常の謎」の雰囲気は前半の方に濃い。
「ままならない」というエピソードは、新米お母さんたちの窮屈さが「隔離」という言葉で表現されていて、独身男性としては胸が痛い。読後感はすごくいいが、よく考えると、ケーキのクリームの下に甘くないものが山ほど隠れている。
 好きなのはラス卜の「騎士と狩人」で、主人公は「女騎士に守られたい」という青年なのだが、これまた結末が爽快である。

 まー、でも、やっぱり、続けて読むべきだったよね。

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すごいゴミのはなし [本・雑誌あれこれ]

 すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10 年間やってみた。
 滝沢秀一、スケラッコ、萩原まお
 学研プラス

 基本的には子供向けの本なのだが、思ったよりヘビー。
 東京の最終処分場(ゴミを燃やしてできた灰を捨てる場所)はあと 20 年でいっぱいになる、という事実だけでなく、「割れ窓理論」なんかも、直接、名前が出てくるわけではないが、がっちり触れられている。
 生ごみの水分は焼却の邪魔になるが、水分の多いところとそうでないところがまだらだと効率が悪い、一様にするため処理場にはゴミをまぜるクレーンがある、とか雑学的にも楽しい。
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日記 [本・雑誌あれこれ]

『竹馬に乗って時を探す 「失われた時を求めて」オンライン読書会の十四か月』を読んだ。
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 プルーストの『失われた時を求めて』の、十四か月にわたるオンライン読書会を経て、参加者が書いた文章である。
 歯ごたえのある文章が多いが、それぞれの長さが手ごろなせいか、読みづらくはない。

 本を読む、書くについての言及がいくつかある。
(自分の)書物を読んでくれる人たちのことを想定して私の読者と言うなら、それは正確さを欠くことになるだろう。なぜならその人たちは、私の考えでは、私の読者ではなく、自分自身の読者だからである。(「コンブレーの眼鏡屋――散歩者の日記より」における 14 巻からの引用)

 夢についてのこの比喩も印象的である。
暗闇を一瞬だけ照らす回転式灯台のように何の前触れもなく訪れる現象だ(「ある会話」)

 何分、対象の原典を読んでないので、理解が適切かどうかは大変に怪しいのだが、間違っているかもしれない、と自覚していて、人に押し付けたりしなければ、それを放置するのもこちらの自由である。
 面白い、と思ったが、じゃぁ、『失われた時を求めて』を読みますか、店に在庫しますか、というと、いろんな意味で体力がなく、なかなか踏み出しづらい。

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日記 [本・雑誌あれこれ]

『マラコット深海(コナン・ドイル、大西尹明/創元推理文庫)』を読み終わった。
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 この文でクスっとなった。
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日記 [本・雑誌あれこれ]

 車をディーラーに持ち込んだ時、「見といて」と置いて帰るつもりでいたらその場でチェックすることになり、結局、一時間くらい待っていた。予約を取った時、混んでるようだったので、念のため、と『ふたごじてんしゃ物語(中原美智子/苦楽堂)』を持って行ったのだが、あらかた読み終わってしまった。

 この本は、「子どもを二人載せて走れる自転車」を実現する過程とその実現後を書いたものである。
「子どもと三人乗りっていいんじゃなかったっけ」って人もいると思うが、あれは「前 15kg4歳未満、後ろ 22kg6歳未満」で、「(15kg を越えた)ふたご」や「体格のいい子」は載せられないのである(2020 年時点)。
 さらに、「6歳」で「あぁ、未就学児童ね」というのは早とちりで、年長組の間に6歳になる子どももいるわけで、その子は幼稚園児であっても載せられなかった。これが「小学校に入るまで」になったのはついこないだの 2021 年である。そんな壁が官だけでなく民のものも含めいくつもあるのだ。

 著者の前向きなマインドに声も出ない。俺なら 80p くらいで「もうえぇ! わしがひいひい言うてたらええねんやろ!」とキレる自信がある。もちろんそれは、諦める、ってことだが。
 目指していることの説明は、相手によって変える必要がある、とか、本を読んでる分には「そりゃそうだよね」と思うが、実際には「我」が顔を出して独りよがりの自分語りになってしまう。この人はそれがないのか、というとそうではなくて、「ふたごじてんしゃ」は「お母さんのためのもの」と言っている。この「お母さん」は著者自身を含むだろうから、そのあたり、バランスが取れているのかもしれない。

「~のため」は「~のため」では終わらないってこと?

「そういう製品がないってのは何か問題があるから」という発言をした人がいたらしいが、その根拠と自信はどこから来るのだろう。

 やっぱり俺は鈍感なおっさんだな、と思ったのは、お父さんたちが抱えている問題が「子育てはしたことないけど、わかる(ような気がする)」と思ったとき。逆に、お母さんたちの意見は、「なるほど」と理解はできるが悔しいことにピンとこなかった。
 そこを少しでも埋めるために本を読むのだよな、と思った一時間(とちょっと)。
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イケてるともだち [本・雑誌あれこれ]

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「サテツマガジン」Vol.4 の特集は「イケてるともだち」
 ちょっと昔話。


 12 年の東京暮らしの後、秋田に帰ってきた。当然、在京中にできた知人友人とは年賀状程度の付き合いになる。まだ Internet やケータイの時代ではなかった。
 その中で、送別会までやってくれたのに年賀状の返事をくれない人がいた。バンド仲間で、最初のバンドが解散した後、別のバンドに誘ったこともあったし、オタクの趣味も合って、俺には珍しくちょっとエロい話題も交わしたりした人である。昔はちょっと悪かったらしいが、いいお兄さん、という感じだった。
 奥さんは同じバンドの仲間で、つまりどちらも俺の友達。子どもが生まれた後、一家で遊びに来たこともある。子どものパワーに圧倒された。
 とは言いながらみんな社会人、会うのは3年で2回くらいのペース、年賀状はあり、という感じだったのだが、それが止まった。年賀状が二度、空振りに終わった後、去る者は日日に疎し、ってことか、とこちらからも出すのをやめた。
 数年後、突然、年賀状が来た。裏返して見ると、その彼の名前と、子どもの名前があるが、奥さんの名前がない。元旦から「どういうこと?!」となった。
 離婚したのか、それとも亡くなったのか。いや、さすがに後者ならその連絡が来るような気がするのだが、年賀状が一度、途切れてる関係でもあるし、来るとも言い切れない。悩んだ挙句、そのことには触れず、こちらの近況を伝える年賀状を出した。翌年も出したが、やっぱり次は来なかった。
 おそらく、そういう家族構成になったことを知らせる必要はある、とは思ったがそこまで、というところか。
 電話でもすればよかったのかもしれない。が、そもそも年賀状をくれなくなった理由がわからない。そこに触れるのが怖かった、という方が大きい。年賀状のやりとりが復活したら聞けるかも、という気持ちがあったが、まぁ、逃げた、というのが正解だろう。

 彼がセレクトしてくれたカセットテープは今でも時折、聞く。
 今では孫ができてたりするのだろうか。

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My Tokyo mixtape [本・雑誌あれこれ]

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「サテツマガジン」Vol.3 の特集は“Tokyo mixtape.”
 私も東京の話を。


「サテツマガジン」には飲食の話題が多かったが、東京にいた時はほとんど外食をしなかったし、そもそも飲食に強い関心がないので、住んでいる場所と飲食が結びつかない。じゃぁ何か、って言うと、もうしわけないが、やっぱり本屋なのである。

 80 年代中盤、大学二年から社会人二年目くらいまで、雑司ヶ谷に住んでいた。
 都電の鬼子母神前駅から明治通り方向に進むと三差路に突き当たる。そこに本屋があった。この本屋にはまぁ世話になった。小さい店で、教科書になるような専門書はさすがになかったけども、書籍から雑誌から漫画から、相当買ったはず。だって外出する時は必ず通る場所にあるんだもの。『スーパー手帳の仕事術』で山根一眞に出会ったのはこの店。
 残念ながら店名を覚えていない。店の外に段ボール箱を置いて古本も売ってたようだけど、あれはひょっとしたら店主の私物だっただろうか。
 三年生あたりから暇になる。授業をサボるコツを覚えたせいかもしれないが。そういうときは池袋にお出かけする。目的地は池袋西武の本屋。リブロができる前のことで、上のフロアにあった。
 11 階だったと思うが、最寄りのエレベータは本屋のあるフロアに停まらない。その上まで行って降りて来るか、下から登っていくかする必要がある。階段のところはマンガのコーナーで、コミックスや雑誌だけでなく、マンガの原稿用紙を売っているのを見て、「都会だ」と思ったのを覚えている。
 もうしわけないが、何かを買った記憶がない。というか、その書店の光景は、それ以外記憶していない。おそらく、本を買うのは家から近いあの書店と、大学生協がメインだったのだと思う。大学生協だと一割引きで買えるし。

 その後、何度か転居を繰り返して、最終的に秋田に戻ったのだが、2000 年代になってから再訪している。その時のメモを見ると、当時の店が驚くほど残っている、と書いてるわりに、本屋についての言及がない。霞みかけている記憶をたどったのだが、その小さな書店は俺が引っ越すのと前後して店を閉じたのではなかったか。古本の段ボール箱が雨ざらしになっていた光景もおぼろげながら浮かんできた。
 2017 年の春、「鬼子母神通り みちくさ市」に出店した。なんでわざわざ、という感じだが、そのときにはもう会社を辞めて本屋を始めるつもりになっており、ついては一箱古本市を体験してみたい、と考えて、ネットで探してみたら雑司ヶ谷という文字が飛び込んできたのである。だから、古本市うんぬんより、雑司ヶ谷を再訪したい、という方が強い。
「驚くほど残っている」と書いてから更に十数年、今回は大きく風景が変わっていた。
 なにより、住んでいたアパートが無くなっていた。都電すれすれのところにあったのだが、そこは今や道路である。「建て替えられていた」「別の建物になっていた」どころではない。線路沿いの建物は、踏切のところにあった店も含め、根こそぎ無くなっていた。
 が、その本屋の建物、というか家はあった。人が住んでいるのかどうかは定かでないが、確かにあった。あるわー、と思った。

 Google で調べてみたら、その場所にはどうやらカフェができているらしい。ストリートビューでは建築中の様子が映る。今度こそ無くなってしまったようだ。
 住人でなくなって 30 年も経つのでとやかく言う気はないし権利もないが、無くなったか。

 鬼子母神近くのスーパーは記憶していた場所に健在のようだが、明治通りを渡った場所にあった店はコンビニになっている。そこでよく買った納豆のパックが青い包装紙だったことを思い出した。
 前に住んでた場所を本屋と結び付けて思い出す人間ももはや特殊例なのかもしれない。
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『となりの妖怪さん』 [本・雑誌あれこれ]

 noho(Twitter @nohohitchcock)
 イースト・プレス
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 同名の縁で読んでみたところ、これがすごくよいのでご紹介。

 妖怪と人間が共存している世界。舞台は山間の町だが、そこだけの話ではなく、六本木ヒルズあたりでも人間と妖怪が普通に行き来している。学校に幽霊が、というエピソードがあるのだが、一つ目小僧の少年がビビっているのが可笑しい。
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 主人公は ぶちねこの「ぶちお」。猫又に新生したばかりで、町内の天狗や化け狐に「妖かし」としての初歩を教わっていく。
 1巻、2巻ともメインとなる流れがあるのだが、短いエピソードを連ねて描かれていくので、読みやすいと同時にリズム感がある。

 基本的に「優しい世界」なのだが、妖怪たちが背負っているものは優しいだけで片付くものではなく、数十年どころか百年単位の因縁があったりして、時折「厳しい世界」が顔をのぞかせる。奥行きのある物語。

 人間も妖怪も可愛いのだが、個人的に一番のお気に入りは、お盆の精霊馬。
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 萌えるでしょ。

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“AMERICAN BOOKSHOP”ルール [本・雑誌あれこれ]

 本の世界にインスピレーションを得たカードゲーム“AMERICAN BOOKSHOP”のルールを簡単に解説します。
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1. カードは4種類のスートに別れていて、それぞれに0~11 の番号が振られている。
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2. プレイヤーは 3~5 人。カードを均等に配る。
3. 親がカードを場に一枚出す。続くプレイヤーは、同じ色のカードを出さなければならない。無ければ任意のカードを出す。
4. カードを出すときに、カードに書かれている数字を足していく。それが、プレイヤーの数に応じて決まっている値になる(または超える)カードを出したプレイヤーが場のカードをすべて取る。
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例えば、3人でプレイしている場合、基準値は 14 である。
親であるプレイヤーAが白の7を出した。
Bは白いカードを持っていなかったので赤の0を出した。
Cが白の6を出す。
Aが1を出すと基準値の 14 になるので、Aは場のカードをすべて取れる。


5. 場のカードを取ったプレイヤーが親となり、3~4 を繰り返す。カードを使い切ったプレイヤーが出たところで1ゲーム終了。
6. 点数を計算する。
・カード一枚につき、-1 点。
・ただし、各色のカードを一番多く持っているプレイヤーのみ、その色のカード一枚につき +1 点。
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プレイヤーAが赤いカードの最大保有者であれば赤いカードによる得点は +1 点となる。
それ以外(Aの赤以外のカードと、A以外のプレイヤーの赤のカード)は一枚当たり -1 点。
この場合、赤が7枚で +7 点、黄色と緑は最大保有者ではないのですべてマイナスで -5 点。合計 +2 点となる。

7. ゲームは、人数分だけ繰り返す。3人の場合、上記の 2~6 を3回プレイする。
8. 終了時の点数で勝者を決める。


 ゲームは乃帆書房店頭のほか、通販でもご購入いただけます。
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同人誌『友だちになる前』を発行しました [本・雑誌あれこれ]

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 これまでに書いた文章の一部をまとめて、一冊の同人誌を作りました。
 ショートショートや短編が合わせて8編収録されています。

 目的は、本の流通の起点を経験すること。
 執筆、編集、装丁をやったことになります。
 苦労話はおいおいしようかと思いますが、まずは背表紙の書名が間違っていることをご報告いたします orz...
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 店頭では一番いいところに置いてあります。
 また、通販サイト(https://nohoshobo.stores.jp/items/5d942ce6965803238a423ff2)では、最初の 10 冊について発行記念に送料 50 円でお送りするキャンペーンを実施中。
 よろしくお願いいたします。
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