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百木田家の古書暮らし [本・雑誌あれこれ]

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(冬目 景/集英社)
 祖父が経営していた神保町の古書店を引き継ぐことになった三姉妹。
 長女は会社員、三女は高校生、店をやるのは次女で、彼女が主人公らしい。帯では「群像劇」と謳っており、確かにそうなのだが、『イエスタデイをうたって』もそうだったし、作者の得意な形態なのかもしれない。
「大好きな本に囲まれて仕事ができる」と言うだけあって、本に詳しい。尤も、「職場の妙な人間関係で心が死ぬこともない」とも言ってたりするが。
 妙な人が何人かいて、隣で店をやっている男と、姉妹の父親がその筆頭かと思うが、中心にいるキャラが至ってまとも。『空電ノイズの姫君』『空電の姫君』もそうだったように思う。これも作者の特徴だろうか。
 古書店の内側の話は楽しく読める。「『これはうちの子(店頭に並べてはあるけど、売れてほしくない、できれば手元に置いておきたい、という本)』問題」は、店を自分の第二本棚にしている気配のある自分にもよくわかる。
 そして、作者が特撮もイケる人だとわかったのがとってもうれしい。

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