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日記 [本・雑誌あれこれ]

『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ(いしいひさいち)』を読んだ
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 冒頭に
これは、
ポルトガルの国民歌謡『ファド』の
歌手をめざす
どうでもよい女の子が
どうでもよからざる能力を
見出されて花開く、
というだけの都合のよいお話です
 とある。

 なんとも凄みのある物語だった。「都合のいい」は作者の照れかなと思う。 
 基本構造は、4コマを繰り返したストーリー漫画で、各4コマごとにオチがある。ナンセンスだったり、毒があったり、と いしいひさいち らしいオチが並ぶ。
 が、全体としては、前書きにたがわず、「どうでもよからざる能力」が「花開く」長編ドラマで、読み終わった後になんと言えばいいのかわからない重みを残す。ラス卜がすさまじいの一言なのだが、そればかりが理由ではない。
 俺のいしい作品像は忍者と最底人で出来上がっているのだが、個々の4コマはそのままなのに、それを連ねて重厚なドラマが紡がれている。すごい、の一言。

 同時に購入した『スクラップスチック それがどうした』はいつものやつで、ゲラゲラ笑いながら読んだ。

 本書は個人作成版のみなので、興味のある方はこちらのオフィシャルサイ卜から。

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