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トワイライライト [本・雑誌あれこれ]

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(畑野智美/ignition gallery)

 森谷未明は大学生である。コロナ禍で、思っていたような大学生活を送れないでいる。
 バイト先で同級生と友達になり、ふと訪れた書店“twililight”で出会いがあり。

 この小説で最もフックになったのは、未明が福島出身だということである。上京してきて、福島出身だ、と言うと相手が微妙な表情をする、というのがインパクトあり。あれから 12 年、多くの人が忘れようとし、実際、ほぼ忘れられているのだが、消えてはいない。
 また未明は、震災とコロナ禍を同種のものと認識している。
 俺自身とは年令差がありすぎるし、感じ方・考え方もかなり違う(彼女は「二番館」という言葉を知らず、ロードショーの期間が終わった映画は「配信で見ればいい」と口にする)のだが、「震災とコロナ禍」を結びつけて捉えられることには大いに共感した。
 うちの店は震災本とコロナ本を同じ棚に置いてるのだが、ほとんど見向きもされないので、なおさらである。

 舞台は三軒茶屋。
 それほど頻繁に行ってないが、二つの映画館は記憶にある。数年前に Cat's Meow Books からの帰りに歩いたが、駅がすっげぇきれいになってて驚いた。

 友人や家族、彼らの言動が、細やかに描かれている。
 どの人も不器用な印象があるのだが、それも含め、いい空気感である。
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