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言葉の庭 [本・雑誌あれこれ]

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(鯨庭/リイド社)

 薬研は、みんなが言葉をぞんざいに扱うので憤っている。
 東雲は、人が言葉に込めた思いが獣の姿として見える。
 一般の「頑張れ」は、人懐っこい熊のような姿だったが、薬研は「頑張れ」を兎によく似た姿でとらえていた。
 ふたりは、「言葉の生息地」を訪れるようになる。

「頑張れ」に続いて取り上げられる「誹謗中傷」などの(なぜそういう姿をしているのか、という)解釈 * にいちいち膝を打つ。薬研と同じように、言葉に対する不誠実さにイライラしている人は強く共感できるのではないか。

 ふたりともどうやらクラスでは浮き気味のようなのだが、そこの辛さは強調されていない。
 東雲が詩に目覚めたときのエピソ一ドは、むしろ希望を感じさせる。

 この作品を知ったのはついこないだなのだが、発売されたのは五月である。俺は半年も何をしてたんだ、と思った。
 二巻が二月に発売されるようで、今から楽しみである。



* 例えば、「頑張れ」が兎なのは、「助けてあげられる力がない」ということの表れ。

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