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チョコレート・アンダーグラウンド [棚紹介]

 4/20 の秋田魁新報で、春の読書キャンペーンに向けた選書をさせていただきました。その第二弾で、『チョコレート・アンダーグラウンド(原題:Bootleg)(アレックス・シアラー、金原 瑞人/求竜堂)』を紹介します。
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 ある国で、チョコレート禁止令が発せられます。
 現在の与党は「健全健康党」。
 チョコレートだけでなく、砂糖も塩も禁止。代わりに、フルーツが推奨されています。挨拶の言葉も「リンゴさくさく気分を」「ジューシーオレンジ気分を」。
 健全健康党はチョコレート探知装置を開発、違反者を見つけ出しては矯正施設に送り込んでいます。その支配に怯える人たちは、自分を守るために怪しいを人を見つけると密告もしています。
 ある日、ハントリーとスマッジャーは、バビおばさんのお店にカカオと砂糖があることを思い出しました。チョコレートが作れる!  お店の地下でチョコレート・パーティだ!

 一見、大人の強制に抵抗する子どもたちのお話ですが、それでは終わりません。
 極端な主張を持った健全健康党が権力を握ることができたのは、大人たちが選挙に行かなかったからです。
 そして、命令に従わないものの矯正、相互監視社会、密告の横行、子どもたちによる予備軍の構成、ネットの遮断、漫画の禁止などの統制は立派なディストピアです。子供向けの『1984年(ジョージ・オーウェル)』だと言ってもいいかもしれません。
 基本的には子供向けの本ですが、大人たちの一言で読み方に深みが加わるお話です。選挙権を持っている高校生にも勧めたい本です。

 山川あいじ によるコミカライズがあります(マーガレット・コミックス)。
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 これは、小説の、ではなく、アニメ作品のコミカライズで、アニメのオリジナルキャラクターも登場します。アニメは、山川あいじ がキャラクターデザインを担当しています。
 現在、DVD を探しているところです。

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