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はしれディーゼルきかんしゃデーデ [棚紹介]

 4/20 の秋田魁新報で、春の読書キャンペーン(4/23 が、子ども読書の日、世界図書・著作権デー、サンジョルディの日)に向けた選書をさせていただきました。
 そのうちの一冊『はしれディーゼルきかんしゃデーデ』を紹介します。
dede1.jpg
 東日本大震災。
 復興には燃料が必要ですが、太平洋側の線路も道路も大打撃を受け、輸送が思うに任せません。
 そこで JR 貨物は磐越西線を使って日本海側から郡山まで燃料を輸送することを考えました。そのお話です。

 主人公は、ディーゼル機関車 DD51-852、愛称は「デーデ」。
 デーデはもともと磐越西線を走っていたのですが、震災当時は山口の門司でセメントを運んでいました。新潟に向かう間、東からの風が「うみがたちあがった!」というような悲鳴を運んできます。デーデは胸騒ぎを感じました――

 すとうあさえ氏のお話は、あくまでデーデと仲間のゴク(DD51 759)やイト(DE10)ベースで進みます。実際には、難しい問題(例えば、磐越西線の線路は JR 東日本が所有しており、その上を JR 貨物の列車が走る形になっているので、臨時ダイヤを走らせるのはそう簡単なことではない)があったはずですが、そういう要素は排されています。
 絵は鈴木まもる氏ですが、きれいでありリアルです。デーデに目や口があったりはしないので、大人でも抵抗なく読み進めることができます。
 絶妙なバランスで、子どもも大人も楽しめる絵本になっています。
 大人の方が子どもに読んであげる時には、前述の難しい問題をかすかにまぶしたり、デーデの装備に関するディテール(新潟にいたころはあった寒冷地装備は門司では外していたが、このミッションでは新たに搭載しなおした、など)を足してあげると喜ばれるかもしれません。
dede2.jpg

参考:
「DT200Aの庫」の「災害復興の大役を負ったDD51のドキュメント」
「しぇるぱ63のブログ」の震災
「NHK 東日本大震災プロジェクト」の明日へつなげよう
togetter の被災地に燃料を届けた緊急燃料輸送列車の絵本がグッとくると話題に「鳥肌立つレベル」「DD51が主役のお話」


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