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委託と買切 [本・雑誌あれこれ]

 久しぶりに書店用語解説を。
 書店と問屋(取次)との間で、本の納入(あるいは返品)をどのようにするか、というお話です。

委託
 本は、書店に一時的にあるだけです。出版社が書店に置いてもらっている、という感じなので「委託」と言います。
 一定期間内であれば、書店は本を取次に返品できます。そのタイミングで、売れた分と売れなくて返品される分とを精算します。
 メリットは、次々に新しい本を入れることができる、書店側で売れるかどうかわからない本にチャレンジしやすい、ということです。
 デメリットは、後述する買切と比べて仕入れ値が高く書店側の利益が少ないことです。出版社側から見れば、売れるかどうかわからないのですから当然です。
 多くの書店は、ほとんどの本を委託で入れています。委託のメリットを生かして、棚の本を随時入れ替え、鮮度を維持しているわけです。(注)

買切
「買取」と言うこともあります。
 これは、書店が取次から仕入れた際に買い取ってしまうことです。本は書店のものになります。
 メリットは、委託よりも仕入れ値が安いこと。売れるとわかっていれば、買い切りの方がお得な訳です。
 デメリットは、売れなかったとしても返品できないことです。頑張って売るしかありませんが、何年も店頭にあって変色してしまったり、帯やカバーが破れている本も稀に目にします。

 今月、リトルプレスの特集をするにあたって約 30 種のリトルプレスを一気に仕入れたわけですが、多いだけにリスクがある、ということで、可能な限り委託契約としています。一定期間(一つの目安として今年の暮れ)過ぎても棚にあるようであれば返品されるものがありますので、気になるリトルプレスがありましたら、お早めに。

 まぁ、基本的に本や雑誌との出会いは一期一会なのですが。
「荷物多いから来週にしよう」と思って翌週行ったら売り切れてた、ということが何度あったことか…。

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