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座標補足:書店の将来と「国民投票」 [雑感]

 河北新報「座標」欄への掲載、最終回の6本目では、書店の将来と「国民投票」について書きました。
 その補足です。

 参考文献を以下に。
190620.jpg
ガケ書房の頃(山下賢二/夏葉社)
「本屋」は死なない(石橋毅史/新潮社)
本屋会議(本屋図鑑編集部/夏葉社)
出版クラッシュ!?(安藤哲也、小田光雄、永江朗/編書房)
本屋がなくなったら、困るじゃないか 11 時間ぐびぐび会議(ブックオカ/西日本新聞社)
(『ガケ書房~』以外は絶版)

『ガケ書房の頃』の「国民投票」という章を起点に書店の将来について書こうと思ったのだが、どうしても売れない零細書店の愚痴にしかならず、試行錯誤と書き直しを繰り返してあの形になった。

 交通機関の例えを持ち出したのは、自分が困った体験による。
 この春のダイヤ改正でバスの便数が減った。それ自体も不便だが、バスが混むようになった。以前はたまに座ることもできたのだが、改正後は一度も座っていない。それどころか、降りるときに「すいませんすいません」と乗客の間をかき分けなければならない。
 バス会社からすれば、その方が効率いいのに違いない。もちろん効率一辺倒ではなく、乗りたくない、という感覚を持たれないように調整しているだろうと想像するが、実のところ、中身の詰まったバッグを二つ持っている時は乗りたくない、と思い始めている。もし、そういう風に感じていて、かつ、代替手段を持っている人がいれば、利用客が減るかもしれない。そうなれば、便数はさらに減るだろうし、料金も上がるだろうね。

 書店がなくなっても困らないし、という意見はあるだろう。通販の方が楽だし。
 だが流通崩壊の問題がある。利用者は「崩壊」の被害者かもしれないが、「俺は加害者かもしれないな」という視点は持っていたい。それ、本当に今日配達にする必要ありますか?
 また先日、車に走行距離で課税するという話も出たが、これは通販の運用に影響しないのだろうか。

 できれば電子書籍にも触れたかったのだが、どうしても否定的な感想しか出てこないので、一言だけに終わった。もし別の機会があったら書いてみたいと思う。
 この点では、「いわゆる技術の進歩は本当に『進歩』なのか」ということもここのところ考えている。ちょっと出てくるが、本と全く関係ないので深掘りはしていない。

 というわけで、月イチ半年の連載が終了した。
 最初に「エッセイじゃありませんからね」と何度もくぎを刺されたので、ちょっと堅苦しい内容になってしまったような気もしている。オチのある文章も書けます。たぶん。
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